「あなたのお家を3,980万円で買いたい方がいます」
こんなチラシ、ポストに入っていたことありませんか? うちの近所でもよく見かけます。相場より明らかに高い金額が書いてあると、「え、そんなに高く売れるの?」と心が動きますよね。
今日は業界の中の人として、あのチラシの仕組みを正直にお話しします。知っているだけで、数百万円の損を防げる話です。
「この金額で買いたい人がいます」の正体
まず知ってほしいのは、チラシの金額には何の保証もないということです。
「〇〇万円で購入希望のお客様がいます」というチラシの多くは、実在する特定の買主がいるわけではなく、売却の相談を集めるための広告です。問い合わせると「そのお客様はちょうど決まってしまって…」「まずは査定させてください」という流れになるのが定番。つまり、あの金額は「釣り広告」であることが少なくありません。
高い査定額にも同じカラクリがある
チラシをきっかけに査定を頼むと、相場より高い査定額を出してくる会社があります。これは「専任媒介契約」を取るためのテクニックで、業界では「高預かり」と呼ばれています。
高い金額で預かって、売れない期間が続いたところで「反響がないので値下げしましょう」と提案する。結局、相場かそれ以下で売れて、時間だけが失われる――以前の記事で書いた「3ヶ月の壁」に、まさにこのパターンでぶつかるんです。
本当の「買取」価格の目安
ちなみに、不動産会社が本当に直接買い取る場合の価格は、仲介で売る相場の7〜8割程度が一般的です。そのかわり最短2週間で現金化・内覧なし・契約不適合責任も免除、というスピードと確実性が買取の価値。
「相場より高い買取価格」をうたうチラシは、この時点で仕組みとして不自然だと分かりますよね。
見分け方は3つ
金額の根拠を聞く:成約事例つきで説明できない金額は信用しない
「買主は実在しますか?」と聞く:具体的に答えられなければ広告目的
複数社の査定額と比べる:1社だけ極端に高ければ、それは高預かりのサイン
まとめ
「高価買取」チラシの金額は、保証のない集客用の数字であることが多い。大事な家の値段は、チラシではなく根拠のある査定で確かめてください。それだけで、売却の失敗の半分は防げます。




