柏市で相続した実家や、長く空き家になっている家。「建物が古いから、壊してからでないと売れないですよね?」というご質問を、ほぼ毎週いただきます。
結論から書くと、多くのケースは古家付き土地のまま売り出して構いません。解体には100万円を超えるお金が先に出ていきますし、更地にすると土地の固定資産税が上がります。しかも相続した実家なら、令和6年(2024年)1月以後の譲渡から「買主が壊す」形でも税金の特例が使えるようになりました。この記事では、柏市の税率と解体費の目安を使って、更地と古家付きの手取りを並べて比べます。
結論:迷ったら「古家付き土地」で売り出す
私たちが柏市でお手伝いしている実感として、先に解体したほうがよかったと言えるケースは、全体の2割ほどです。理由は4つあります。
- 解体費(木造30坪でおおむね90万〜180万円)が、売れる前に先に出ていく
- 更地にすると土地の固定資産税・都市計画税が上がる
- 相続した実家なら、買主が取り壊す形でも3,000万円の特例が使える場合がある
- 壊してしまうと元に戻せない。古家付きなら、あとから更地にする選択が残る
「解体してから売る」と決めるのは、査定額と解体見積りの両方を見てからで十分間に合います。

先に解体してしまって、更地のまま1年売れずに税金だけ増えた方がいらっしゃいます。順番は先に決めておきたいところです。
更地にすると土地の固定資産税が上がる理由
住宅が建っている土地には住宅用地の特例があり、課税標準額が下がっています。柏市が公表している割合は次のとおりです。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200平方メートルまでの部分) | 評価額の6分の1 | 評価額の3分の1 |
| 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分) | 評価額の3分の1 | 評価額の3分の2 |
柏市の税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%(市街化区域)です。建物を解体すると、この特例が外れます。土地の税額だけを見れば最大で6倍近くになる計算です。ただし建物にかかっていた固定資産税は消えるので、負担の増え方は「6倍」ほど極端にならないことも多い——ここは実際の納税通知書で見比べてください。
もうひとつ大事なのが1月1日という基準日です。固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まります。年内に解体して年明けに売れ残ると、丸1年分、上がった税額を払うことになります。空き家の税金そのものについては柏市の空き家、固定資産税は年いくら?にまとめています。
柏市で木造30坪を解体するといくらか(目安)
木造住宅の解体費は、一般に坪あたり3万〜5万円程度が目安とされています。30坪なら90万〜180万円程度。ただし、次の条件が重なると 上振れします。
- 前面道路が狭く、重機やダンプが入らない(手壊しが増える)
- 隣家との距離が近く、養生や防音の手間がかかる
- 残置物が多い(家具・家電を処分費として別途計上される)
- ブロック塀・物置・庭木・カーポート・浄化槽・井戸がある
- アスベストを含む建材が見つかり、事前調査と除去が必要になる
これらはあくまで目安で、時期と業者で変わります。必ず現地を見てもらったうえで、内訳の入った見積りを3社ほど取ってください。残置物の処分費が別なのか込みなのかは、必ず確認したい項目です。片付け側の費用感は実家の片付けはいくらかかる?柏市で業者に頼む場合の相場をご覧ください。

え、壊す前に査定でしょ。先に150万払っても、その分を価格に上乗せできる保証なんてどこにもないんだよ。
手取りで比べてみる(計算例)
土地としての相場が1,800万円の物件で考えます。古家付きのまま売る場合は、買主が解体することを前提に、その分を値引いた価格で成約するのが一般的です。
| 更地にして売る | 古家付きのまま売る | |
|---|---|---|
| 成約価格 | 1,800万円 | 1,680万円 |
| 解体費 | −150万円 | 0円 |
| 仲介手数料(税込) | −66万円 | −62万円 |
| 手取り | 約1,584万円 | 約1,618万円 |
この例では、古家付きのほうが34万円ほど多く残ります。さらに更地は、売れるまでの間の固定資産税が上がっているぶん、差はもう少し開きます。
逆転するのは、更地にしたことで買い手が増え、値引きせずに満額で売れる場合です。つまり「解体費を上回る価格上昇が見込めるか」が唯一の判断材料になります。これは机上では分からないので、地元の会社に聞くのがいちばん早いところです。なお、私たちが直接買い取る形であれば仲介手数料はかかりません。
相続した実家なら「3,000万円特別控除」を先に確認
相続した空き家を売るときの被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例は、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。国税庁の要件のうち、実務でよく効くのは次の点です。
- 平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却が対象
- 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたもので、区分所有建物でないこと
- 相続開始の直前に、被相続人以外に住んでいた人がいないこと
- 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却代金が1億円以下であること
- 令和6年1月1日以後の譲渡なら、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、買主が耐震基準に適合させるか、家屋を取り壊せばよい
- 令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円になる
最後から2番目が大きな改正点です。以前は売主が引渡しまでに壊す必要がありましたが、いまは買主が壊す形でも間に合う。「特例を使うために自腹で解体する」必要が薄くなったわけです。ただし細かい要件と必要書類があり、年度で変わることもあります。適用の可否は必ず税務署か税理士に確認してください。

古家付きのままで売れるかどうか、まず聞いてください。壊すかは金額を見てから決めても遅くありません。
それでも更地にしたほうがいいケース
次のような場合は、解体を前向きに考えます。
- 屋根や外壁が崩れかけていて、通行人や隣家に危険がある
- 市から特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けている(勧告を受けると住宅用地の特例が外れるため、更地と同じ税額になる)
- 室内の傷みが激しく、内見のたびに印象が下がる
- 土地の形や接道がよく、建売用地として広く買い手が付く見込みがある
- 建物の中に大量の残置物があり、買主側が見積りを出せない
とくに2つ目は、更地にしないメリットがすでに消えている状態です。放置を続けても税額は変わらないので、早めに動いたほうがよい局面といえます。
古家付きで売るときの注意点
古家付き土地は「建物に値段を付けない」売り方です。トラブルを避けるために、次の3つは売り出し前に決めておきます。
- 契約不適合責任をどう扱うか:建物は現況有姿(今のまま)で引き渡し、雨漏りやシロアリなど建物の不具合について売主が責任を負わない特約を付けるのが一般的です。ただし、知っている不具合を黙っていた場合は免責されません。分かっていることは必ず伝えてください。
- 境界:境界標が見当たらない、隣地の塀や枝が越境している——このあたりは古い家ほど多いところです。測量が必要か、早めに確認します。
- 残置物:全部出すのか、残したまま引き渡すのか。買取であれば残したままでも進められます。
なお、解体した場合は法務局への建物滅失登記が必要です(原則として取り壊しから1か月以内)。これを忘れると、建物の固定資産税が翌年も課税されてしまうことがあります。
リノーズにできること
私たちは柏市を拠点に、東葛エリアの不動産買取と仲介をしています。古家付きの実家については、「古家付きのまま仲介で売り出した場合」「更地にして売り出した場合」「私たちが買い取った場合」の3つの金額を、同じ紙に並べてお出しします。解体の見積りも、付き合いのある解体会社から取り寄せられます。
荷物が残ったまま、庭木が伸びたままで構いません。むしろ現状のまま見せていただいたほうが、正確な数字が出せます。残置物ごと手放したい方には実家まるごとパック、日程を決めて確実に売りたい方には不動産買取という形があります。
まとめ
- 迷ったら古家付き土地のまま売り出す。壊すのはいつでもできる
- 更地にすると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税・都市計画税が上がる(柏市は1.4%/0.3%)
- 木造30坪の解体費は90万〜180万円程度が目安。道路付け・残置物・アスベストで変わる
- 手取りで比べると、古家付きのほうが残る計算になることが多い
- 相続空き家の3,000万円特別控除は令和9年12月31日まで。買主が翌年2月15日までに取り壊す形でも使える
- 勧告を受けた空き家は、すでに特例が外れている。早めに動く
解体するかどうかは、いくらで売れるかが分かってから決めれば十分です。無料査定は最短30分で価格と査定書をメールでお送りします。古家付き・更地の両方の数字が知りたい、とお書き添えください。
リノーズ株式会社 代表取締役 美澤由佳子



