柏市で相続した実家について、「調べたら再建築不可だと言われた」というご相談が増えています。不動産会社に断られた、銀行のローンが付かないと言われた、という方もいらっしゃいます。
結論から書きます。再建築不可の家は売れます。ただし、普通の戸建てと同じ売り方では売れにくい、というだけです。出口は大きく3つあり、どれを選ぶかで金額も期間も変わります。この記事では、柏市で再建築不可の実家を手放すときに何を確認し、どの順番で動けばいいかを整理します。
再建築不可とはどういう状態か
建築基準法では、建物を建てる敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないと決まっています(接道義務)。これを満たさない土地では、いま建っている家を壊すと、新しい建物を建てられません。これが再建築不可です。
典型的なのは次のような形です。
- 敷地が道路に接していない(旗竿地の竿の部分が他人の土地、袋地)
- 接している幅が2メートル未満(1.8メートルなど、あと少し足りない)
- 前面の道が建築基準法上の「道路」ではない(通路・農道・私道のまま位置指定を受けていない)
建物自体は合法に建っていることがほとんどです。昔は基準が違った、あるいは建てたあとに周りが分筆された、という経緯が多いところです。

「再建築不可」と言われても、売れないという意味ではありません。買う人の種類が変わるだけ、と考えてください。
柏市で再建築不可になりやすい場所
柏市でご相談が多いのは、次のような地域です。
- 柏駅周辺の旧市街:路地の奥、間口の狭い敷地。建物が密集していて、通路を共有している
- 沼南地域の古い集落:大津ヶ丘・高柳・藤心・手賀など。農道に接しているだけの家がある
- 昭和40〜50年代に分譲された宅地:当時の私道が位置指定道路になっていない区画
- 幹線道路沿いの裏手:表の家の後ろに建っている家
もうひとつ、市街化調整区域と混同されがちです。調整区域は「原則として建てられない区域」であって、接道の問題とは別です。ただし実務上、どちらも「そのままでは建て替えられない」という点で似た扱いになります。柏市には沼南地域を中心に調整区域が広く残っています。
まず確認する3つのこと
売り方を決める前に、次の3点だけ調べてください。無料で分かります。
- 前面の道の種類:柏市の建築指導課(道路種別の窓口)で、その道が建築基準法42条何項の道路か、あるいは道路でないかを確認できます。42条2項道路(いわゆる2項道路)なら、セットバックすれば再建築できるケースがあります。
- 接している間口の幅:公図と測量図、実測で確認します。「2メートルあると思っていたら1.9メートルだった」は珍しくありません。逆に、測ったら足りていたという例もあります。
- 43条2項の認定・許可が取れる余地があるか:接道義務を満たさなくても、特定行政庁が認定または許可すれば建てられる道があります(後述)。
この3点で、打てる手はほぼ決まります。「再建築不可」と言われた根拠が何なのかを確かめないまま売り急ぐのがいちばんもったいないところです。

隣の人に声をかける順番だけは間違えないでくれ。売り出したあとだと足元を見られる。先に、静かに、がいい。
2025年4月の法改正で何が変わったか
知っておいていただきたい変化があります。2025年(令和7年)4月から建築基準法が改正され、いわゆる「4号特例」が縮小されました。
これまで木造2階建ての戸建て(旧4号建築物)は、大規模の修繕・模様替えに建築確認申請が不要でした。改正後は木造2階建てや延べ面積200平方メートルを超える平屋が「新2号建築物」に区分され、大規模の修繕・模様替えにも確認申請が必要になります。
再建築不可の物件は、そもそも確認申請が下りません。つまり「建て替えられないけれど、フルリフォームして貸す・住む」という出口が、以前より狭くなったということです。
ただし全部が不可能になったわけではありません。延べ面積200平方メートル以下の木造平屋(新3号建築物)は従来どおりの扱いですし、内装の変更、設備の入れ替え、窓の交換、屋根の一部葺き替えなど、主要構造部の過半に及ばない工事は確認申請なしでできます。「リフォームして残す」を考えている方は、工事の範囲を設計者に先に確認してください。
出口1:隣地の所有者に売る(いちばん高くなる可能性)
再建築不可の土地が、いちばん高く売れる相手は隣の土地の所有者です。理由は単純で、隣の人が買えばその土地と一体になり、接道の問題が消えて再建築可能な土地に変わることがあるからです。市場価格より高く買う理由がある、唯一の買い手といえます。
逆に、隣地の一部を買わせてもらう、あるいは通行と掘削の承諾をもらう、という方向もあります。間口が1.8メートルなら、あと20センチ分けてもらえば接道義務を満たせる、という話です。
進め方で大事なのは順番です。広く売り出す前に、静かに打診する。売り出したあとだと「売れずに困っている」と分かってしまい、条件が悪くなります。関係がこじれている場合は、不動産会社を間に立ててください。

まず調べるのは前面道路の種類と間口の幅です。ここが分かれば、打てる手はだいたい決まります。
出口2:43条2項の認定・許可で再建築可能にする
建築基準法43条2項には、接道義務を満たさない敷地でも建築を認める仕組みがあります。
- 2項1号(認定):一定の基準に当てはまる場合、特定行政庁の認定で建築できます。建築審査会の同意は要りません。
- 2項2号(許可):いわゆる但し書き。建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可します。周囲に広い空地がある、避難や通行に支障がない、といった判断です。
柏市は特定行政庁なので、窓口は市の建築指導課です。認定・許可の基準と、過去に通った事例の傾向は自治体ごとに違います。通れば土地の評価が大きく変わるので、売る前に一度は相談する価値があります。ただし手続きに時間がかかり、必ず通るとは限らない点は織り込んでおいてください。
出口3:買取(現況のまま、日程を決めて手放す)
隣地との交渉も行政の手続きもしたくない、あるいは相続人が複数いて早く終わらせたい——という場合は、不動産会社による買取が現実的です。
再建築不可の物件を扱える会社は限られますが、買い手はいます。再建築不可でも、既存の建物を活かして賃貸に回す、隣地と交渉して一体化する、といった出口を業として持っている会社があるからです。
買取のよいところは、内見も広告もないこと、引渡し日を先に決められること、荷物が残ったままでも進められること、そして契約不適合責任を免責とする特約で合意できるのが通常であることです。引渡し後に雨漏りやシロアリが見つかっても、売主が責任を追及されない形にできます。ただし、売主が知っていて告げなかった不具合は免責されません。分かっていることは必ず伝えてください。買取の流れは不動産買取のページにまとめています。
価格はどのくらいになるか(目安)
| 売り方 | 価格の目安 | 期間 |
|---|---|---|
| 隣地の所有者に売る | 近隣相場と同等、またはそれ以上になることも | 交渉次第。数か月〜 |
| 43条2項の認定・許可を取ってから売る | 再建築可能な土地に近づく | 手続きに数か月 |
| そのまま仲介で売り出す | 近隣相場の5〜7割程度が目安 | 長引きやすい |
| 買取 | 仲介より下がる | 条件が合えば数週間〜 |
いずれも柏市周辺での一般的な目安で、間口の幅・建物の状態・隣地の事情で大きく変わります。断定できる数字ではないので、必ず個別に査定を取ってください。なお、住宅ローンが付きにくいため買い手が現金の方に限られる点も、価格が下がる理由のひとつです。
建物を壊すかどうかは、再建築不可の場合はとくに慎重に。壊してしまうと新しい建物が建てられない土地になり、値段が下がります。この判断の考え方は古家付き土地として売る?更地にして売る?柏市で手取りを比べるでも書きました。
買取で売る場合の流れと期間
- ご相談・机上査定:住所と固定資産税の納税通知書があれば、登記情報と道路の種別から概算を出します
- 道路と間口の調査:柏市の建築指導課で道路種別を確認し、間口を実測します。43条2項の余地もここで見ます
- 3つの出口の比較:隣地に売る場合・仲介で売り出す場合・買取の場合の金額と期間を並べます
- 売買契約:買取を選んだ場合は、契約不適合責任を免責とする特約で合意するのが通常です
- 決済・引渡し:荷物が残ったままでも構いません。条件がそろえば、ご相談から数週間で引渡しまで進められます
リノーズにできること
私たちは柏市を拠点に、東葛エリアの不動産買取と仲介をしています。再建築不可の物件については、まず前面道路の種類と間口の実測、43条の認定・許可の余地を調べたうえで、「隣地に打診した場合」「そのまま仲介で売り出した場合」「私たちが買い取った場合」の3つの数字を並べてお出しします。
隣地への打診は、ご本人が直接動くより間に入ったほうがまとまりやすい場面が多いところです。荷物が残ったまま、庭木が伸びたままでも構いません。空き家全般の扱いは空き家の売却もご覧ください。
まとめ
- 再建築不可は「売れない」ではなく「買い手の種類が変わる」
- 先に確認するのは、前面道路の種類・間口の実測・43条2項の余地の3点
- 2025年4月の法改正で、木造2階建ての大規模修繕にも確認申請が必要に。リフォームして残す出口は狭くなった
- いちばん高くなり得る相手は隣地の所有者。売り出す前に静かに打診する
- 43条2項の認定・許可が通れば評価が変わる。窓口は柏市の建築指導課
- 早く確実に終わらせたいなら買取。契約不適合責任の免責で合意できるのが通常
- 再建築不可の建物は、安易に壊さない
まずは「本当に再建築不可なのか」「どの出口が使えるのか」を確かめるところからです。無料査定は最短30分で価格と査定書をメールでお送りします。「再建築不可と言われました」とお書き添えいただければ、道路の調査もあわせて行います。
リノーズ株式会社 代表取締役 美澤由佳子



