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市街化調整区域の家は売れる?柏市の線引きと43条許可、買取という出口

「この土地は市街化調整区域なので、建て替えができません」。不動産会社でそう言われて、相続した実家の話がそこで止まってしまった——柏市の北部や沼南エリアで、よくお聞きする場面です。

結論から書きます。市街化調整区域の家は売れます。ただし価格の9割は「建て替えられるかどうか」で決まります。そして建て替えの可否は、町名ではなく番地ごとに分かれます。「調整区域だから売れない」と一括りにしてあきらめるのは、いちばん損な選び方です。

売れないのではなく、買い手が検討に入れない

市街化調整区域は市街化を抑える区域なので、原則として新しく建物を建てられません。だから建物が建っている土地でも、いまの家を壊して新しく建てることが当然にできるとは限らないのです。

買い手は、いまの家に住めるのか、建て替えられるのかが分からないと判断できません。つまり、ここが分からない物件は売れないのではなく、買い手が検討にすら入れないのです。逆に、建て替えの可否が資料になっている調整区域の物件は普通に売れます。

リノーズのキャラクター(資料を持って説明)

「調整区域だから売れない」と言われたお客様に、まず伺うのは昭和45年7月31日より前から宅地だったかです。ここで道が分かれます。

結論:売れるかどうかは「建て替えられるか」で決まる

調整区域の土地は、ざっくり3つに分かれます。

  1. 建て替えの許可が取れる見込みがある土地……市街化区域の相場から1〜3割ほど下がる程度で売れることがあります
  2. いまの家には住めるが、建て替えは難しい土地……リフォームして住む買い手、または買取が出口になります
  3. 家が建てられない土地(農地・山林に戻る)……隣地の方や、資材置き場・駐車場として使う買い手が相手になります

同じ町名でも、道一本はさんで1と3に分かれます。ですから町名で判断してはいけません。必要なのは番地での確認です。

柏市の線引きは昭和45年7月31日。この日付がすべての基準になる

市街化区域と市街化調整区域を分けたことを「線引き」と言います。柏市の線引きの日は昭和45年(1970年)7月31日です。柏市が公開している建築行為等の申請要件でも、この日付が基準として明記されています。

なぜこの日付が大事なのか。建て替えの道が開ける条件の多くが、「線引きの日より前から宅地だったか」にかかっているからです。この日より前から宅地として使われていた土地なら許可が検討の対象になり、後に造成された土地だと別の根拠を探すことになります。手がかりは次のとおりです。

  • 登記事項証明書の地目と、その変更日……田・畑から宅地になった日付が昭和45年7月31日より前か
  • 建物の登記の新築年月日……この日より前に建っていれば、宅地だった可能性が高くなります
  • 古い航空写真……国土地理院のサイトで昭和40年代の空撮が見られます。家が写っていれば強い材料になります
  • 固定資産税の課税明細……宅地として課税されている期間の手がかりになります
YouTubeのキャラクター(surprise)

えっ、既存宅地って今も使えるんじゃないの?——2001年に廃止されてます。古い説明のまま売りに出して買い手が逃げるのが、一番もったいない。

既存宅地制度は2001年に廃止された(古い説明がまだ残っている)

親世代の方から「あそこは既存宅地だから大丈夫」と聞いていることがあります。既存宅地制度は、調整区域でも一定の要件を満たす宅地なら届出で建てられるという、かつての仕組みです。

これは平成12年の都市計画法改正で廃止され、平成13年(2001年)5月18日に施行されました。5年の経過措置も平成18年(2006年)5月17日で終わっています。いま「既存宅地だから建てられる」という説明は通用しません。

廃止後は、市の許可基準に沿って個別に許可を取るかたちに変わりました。届出で済んだ時代から、審査を受ける時代になったということです。昔の説明をそのまま買い手に伝えると調査の段階で話が崩れるので、古い情報のまま売りに出すのがいちばんもったいない進め方です。

いま建て替えの入口になりうる3つの道(柏市の場合)

柏市が公開している開発行為等の審査基準には、調整区域で建築行為等が認められる場合の要件が並んでいます。住宅の建て替えで実際によく使うのは次の3つです。

道柏市の要件(公開資料より)調べ方
線引き前からの宅地(市街化区域と一体的な日常生活圏)申請地が線引きの日=昭和45年7月31日より前から宅地であること登記の地目変更日、古い航空写真、建物登記の新築年月日
既存集落半径150メートルの範囲内に40以上の建築物(車庫・物置などの附属建築物を除く)が連たんしている地域であること住宅地図で半径150mの円を描いて棟数を数える。最終判断は市
線引き前に宅地開発が行われた土地(既造成)線引きの日より前に宅地開発・造成が行われた土地であること(道路位置指定の状況などから判断)道路位置指定図の有無を市で確認する

ほかにも分家住宅(農家の子が実家の近くに建てる)など人に紐づく道がありますが、買い手が使えないことが多いので、売却前提なら上の3つを先に調べます。いずれも最終的な判断は柏市にしかできません。窓口は柏市都市部宅地課(柏市役所代表 04-7167-1111)です。番地と現況を伝えれば、どの基準で検討できそうかを教えてもらえます。

リノーズのキャラクター(ガッツポーズ)

建て替えできない土地にも出口はあります。隣地への打診、買取、農地の整理。あきらめる前に番地で調べさせてください。

43条許可の実務——申請から着工まで何が起きるか

調整区域で、開発許可を受けていない土地に建物を建てる(新築・改築・用途変更する)には、都市計画法第43条の許可が必要です。農林漁業用の建物など例外はありますが、相続した実家の建て替えはこの許可の話になります。流れはおおむね次のとおりです。

  1. 事前相談……番地・現況・やりたいことを宅地課に持ち込み、どの基準で検討できるか確認する
  2. 根拠資料をそろえる……登記事項証明書、公図、地積測量図、古い航空写真、道路位置指定図など
  3. 申請……許可基準に沿って書類を整え、提出する
  4. 許可……許可が下りてから、建築確認の申請に進む

売主側として押さえておきたいのは、この許可は「土地」に無条件で出るものではなく、申請する内容と申請者によって結論が変わりうるということです。ですから売買では「許可が取れることを条件に契約する(停止条件付き)」というかたちを取ることがあります。買い手の不安を契約で吸収する方法です。

あわせて建物の大きさも確認します。柏市は調整区域の形態規制値を区域ごとに指定しており、河畔地区では市街化区域より厳しい数字になることがあります。「建て替えられるが、いまと同じ大きさは建たない」ケースです(高柳新田・藤ケ谷の実家を売るとき)。

建て替えできない場合の出口

調べた結果、建て替えの道が見つからないこともあります。そのときの出口は3つです。

  • いまの建物を使う買い手に売る……既存の家をリフォームして住む、または貸す前提の買い手です。再建築できないぶん価格は下がりますが、現金で買える層が一定数います
  • 隣地の方に売る……隣が農地や宅地なら、まとめて使える価値が出ます。隣地への打診は、調整区域でもっとも値段が出やすい売り方のひとつです
  • 買取で引き受ける……私たちのような不動産会社が直接買う方法です。許可の調査や残置物の処理を含めて引き取れるので、相続人が複数いて早く分けたい場合に向きます

農地がついている場合は農地法の手続き(県知事の許可や農業委員会への届出)が別に必要です(野田市の実家・空き家の売却)。沼南エリア全体の事情は大津ヶ丘・高柳の記事にまとめています。

価格はどのくらい下がるのか(目安)

状況市街化区域の同条件と比べた目安
建て替えの許可が取れる見込みが資料で示せる1〜3割程度下がる
可否が分からない(調査していない)買い手が検討に入らない。価格がつかないことがある
建て替えできないが、いまの家に住める4〜6割程度下がる
建物が使えず、再建築もできない土地の利用価値(駐車場・資材置き場・隣地との一体利用)で判断

この表でいちばん伝えたいのは2行目です。「分からない」は、いちばん安い状態です。市への相談と登記・公図の取得にかかる実費は数千円の範囲。調べて書くだけで価格が動きます。

リノーズにできること

  • 番地での建て替え可否の調査……登記・公図・古い航空写真をそろえ、柏市の宅地課で基準を確認して、結果を1枚の資料にします
  • 仲介と買取の両方の金額提示……許可が取れる見込みがあるなら仲介で高く、時間を優先するなら買取で
  • 隣地への打診……隣地の方が最有力の買い手になることがあります。声をかけにくい場合は私たちが間に入ります
  • 残置物・草刈りを含めた片付け……遠方にお住まいでも進められます(空き家の売却・活用)

まとめ

  • 市街化調整区域の家は売れる。価格の9割は「建て替えられるかどうか」で決まる
  • 柏市の線引きの日は昭和45年7月31日。この日より前から宅地だったかが最大の分かれ目
  • 既存宅地制度は平成13年5月18日に廃止され、経過措置も平成18年5月で終了。古い説明は通用しない
  • いま使う入口は、線引き前からの宅地/既存集落(半径150m内に40以上の建築物が連たん)/線引き前の宅地開発。判断は柏市都市部宅地課へ
  • 調整区域での建築は都市計画法第43条の許可。許可を停止条件にして契約する方法がある
  • 町名で判断しない。番地で調べる。「分からない」がいちばん安い状態

登記事項証明書と公図、固定資産税の納税通知書をお送りいただければ、建て替えの可否を調べたうえで無料査定をお出しします。最短30分で価格と査定書をメールでお返しします。家の中の片付けから一緒にお任せになりたい場合は実家まるごとパックもご相談ください。

※この記事の制度・要件は柏市および国の公開資料をもとに執筆時点で整理したものです。該当するかどうかは番地ごとに異なり、基準も改正されます。必ず柏市都市部宅地課でご確認ください。

(執筆:リノーズ株式会社 代表取締役 美澤由佳子)

内容は執筆時点の情報です。制度・税務・法務の個別判断は各機関・専門家にご確認ください。

価格の目安を先に知りたい方へ。国土交通省が公開している柏市の成約データ4,307件を、町名ごとの表にまとめています。柏市の不動産売却相場(町名別) この記事の地域は 高柳・沼南エリアの相場 をご覧ください。

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