柏市で相続した実家を売るとき、ほぼ必ず出てくるご質問があります。「先に片付けたほうが高く売れますか?」です。
結論から書きます。建物が「土地の値段」で取引される物件なら、片付けてもほとんど売値は上がりません。片付けにかかる数十万円が、そのまま手取りから消えるだけになりがちです。一方で、建物にまだ住宅としての価値が残っている物件なら、片付けと清掃は効きます。分かれ目は建物の築年数と状態です。
この記事では、柏市の戸建てを例に「片付けてから仲介」「荷物を残したまま仲介」「そのまま買取」の3つで、手元に残る金額がどう変わるかを並べて比べます。
結論:判断は「売値」ではなく「手取り」でする
ご相談で多いのは「片付けたら、いくら高く売れますか」という聞き方です。この聞き方だと判断を誤ります。見るべきは、売値から費用と税金を引いたあとに手元に残る金額だからです。
- 片付けてから売る=売値は上がりやすいが、片付け費用が先に出ていく
- 荷物を残したまま売る=売値は下がるが、費用は出ていかない
目安はこう考えてください。築30年を超えて、建物に住宅としての価値がほとんど残っていない物件(=実質的に土地の値段で売れる物件)は、片付けても買主の評価は変わりません。買主はどのみち解体するか、大きく手を入れるからです。柏市で相続のご相談をいただく実家は、多くがこちらに当てはまります。

「片付けてからでないと売れない」と思い込んでいらっしゃる方が、本当に多いんです。そのままの状態でも、進められる売り方があります。
片付けてから売る場合、何にいくらかかるか
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 残置物の処分(4LDKの戸建て丸ごと) | 20万〜60万円程度 |
| ハウスクリーニング(水回り+全室) | 5万〜15万円程度 |
| 庭木の伐採・草刈り | 3万〜10万円程度 |
| 仏壇の閉眼供養と処分 | 3万〜13万円程度 |
| 遠方からの往復交通費・宿泊費 | 回数分 |
柏市周辺での一般的な目安で、物量・階段の有無・駐車スペースの広さで大きく変わります。自分たちで市の収集に出せば費用は下げられますが、柏地域の粗大ごみは予約制の戸別収集で1点1,100円。物量が多い実家だと、回数と手間がかなりかかります。費用の内訳と業者の選び方は実家の片付けはいくらかかる?柏市で業者に頼む場合の相場にまとめました。
見落としやすいのが時間です。片付けが終わるまで売り出せないので、その間も固定資産税・火災保険・管理の手間は続きます。遠方にお住まいなら往復の回数も増えます。
荷物を残したまま売る、という選び方
「そのまま売る」には2通りあります。
- 現況渡しで仲介に出す:家財が残ったまま売り出し、引渡しまでに買主と取り決めた範囲だけ片付ける、あるいは残置物込みで引き渡す契約にする。古家付き土地として土地を探している買主なら、荷物の有無をほとんど気にしません。
- 不動産会社に買い取ってもらう:荷物も庭木もそのままで引き渡せます。内見も広告もなく、引渡し日を先に決められます。そのぶん価格は仲介より下がります。
現況渡しの仲介は、内見がある以上まったく無策では難しく、通路の確保と最低限の清掃は必要です。ただし「全部空にする」のと「歩けるようにする」のとでは費用が一桁違います。建物を壊すかどうかの判断は古家付き土地として売る?更地にして売る?柏市で手取りを比べるもあわせてご覧ください。

えっ、もう片付け業者に頼んじゃったの? 荷物が残ったままの値段も先に聞いておけば、40万円は手元に残ったかもしれないのに。
柏市の築古戸建てで手取りを比べてみる
例えば、次のような典型的なケースで考えます。実在の取引ではなく、考え方を示すための仮の数字です。
柏市の住宅地/土地35坪/木造2階建て・築45年/家財がそのまま残っている/相続人は兄弟2人
| 売り方 | 売値(仮) | 出ていく費用 | 手取りの目安 | かかる期間 |
|---|---|---|---|---|
| 片付け+清掃してから仲介 | 1,500万円 | 片付け45万+清掃10万+仲介手数料56.1万 | 約1,389万円 | 片付け1〜2か月+売却3〜6か月 |
| 荷物を残したまま仲介 | 1,470万円 | 仲介手数料55.1万 | 約1,415万円 | 3〜6か月 |
| そのまま買取 | 1,280万円 | なし(仲介手数料もかからない) | 1,280万円 | 数週間〜1か月程度 |
仲介手数料は「売買価格の3%+6万円+消費税」で計算しています。この例では、片付けに55万円かけても売値は30万円しか上がらず、手取りは片付けないほうが約26万円多くなりました。建物に価値が残っていない物件では、こうなることが珍しくありません。
買取はいちばん手取りが下がりますが、片付け・内見・近所への知られ方・引渡し時期をすべて自分で決められます。「兄弟で早く現金にして分けたい」「遠方で何度も通えない」という事情があるなら、この差額は速さと確実さの対価と考えていいところです。不動産買取のページに流れをまとめています。
なお、上の表に譲渡所得税は入れていません。相続した実家なら「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける場合があります。昭和56年5月31日以前の建築であること、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが要件で、適用期限は令和9年12月31日です。要件は細かく年度で変わることもあるため、税務署か税理士にご確認ください。
片付けたほうが手取りが増えるのはどんなときか
逆のケースもあります。次のどれかに当てはまるなら、片付けと清掃にお金をかける価値があります。
- 築20年前後までで、建物の状態がよい:そのまま住みたい買主が付く。内見の印象が価格と決断のスピードに直結する
- マンションの一室:土地値という考え方がないので、室内の印象がほぼすべて。クリーニングは費用対効果が高い
- とにかく物が多くて玄関から先に進めない:内見ができない物件は、そもそも検討の土俵に乗らない
- におい・虫・水漏れの跡がある:これは片付けではなく「マイナスを消す作業」。放置すると値引き交渉の材料になる
ポイントは、全部を空にする必要はないということです。通路を作る・水回りを磨く・においを取る。この3つだけで内見の印象は変わります。押し入れの中身まで出す必要はありません。

迷ったら、片付ける前の状態で一度見せてください。片付けた場合とそのままの場合、両方の手取りを並べてお出しします。
片付ける前に必ずやっておくこと
どちらを選ぶにしても、処分を始める前にこれだけは済ませてください。
- 名義を決める:誰が相続するかが決まる前に片付けると、「勝手に処分した」と受け取られて話がこじれます。順番は「実家じまい」は何から始める?柏市での順番と費用の目安のとおり、名義 → 中身 → 建物です
- 重要書類を先に探す:権利証(登記識別情報)、通帳、保険証券、年金手帳、印鑑、購入時の売買契約書。とくに購入時の契約書は税金に直結します。取得費が分からないと、売却価格の5%で計算せざるを得ず、税負担が大きく増えることがあります
- 写真を撮る:処分する前に各部屋を撮っておくと、あとで兄弟に説明できます
- 値段を先に聞く:片付け業者に発注する前に、荷物が残ったままの状態で査定を取る。順番を逆にすると選択肢が減ります
片付け費用は売却の税金で差し引ける?
ここはよく誤解されるところです。売却時の税金(譲渡所得)を計算するとき差し引ける「譲渡費用」は、売るために直接かかった費用に限られます。仲介手数料や測量費、土地を売るために建物を取り壊した費用などが該当します。
一方で家財道具の処分費用は、原則として譲渡費用には含まれないと扱われるのが一般的です。「売るために必要だった」と感じても、税金の計算では別扱いになることがあります。金額が大きくなる項目なので、片付けに数十万円をかける前に、税務署か税理士に確認しておくことをおすすめします。
よくある失敗
- 査定を取る前に片付け業者へ発注してしまう:そのままでも売れると知るのが後になり、費用が丸ごと無駄になる
- 全部空にしてから解体費用の高さに気づく:片付けと解体を別々に頼むと、まとめて頼むより割高になりやすい
- 売買契約書を捨ててしまう:取得費が証明できず、税金が増える
- 電気と水道を先に止める:内見も清掃もできなくなる
- 相続人の一人が独断で処分する:金額の問題ではなく、感情の問題になる
リノーズにできること
私たちは柏市を拠点に、東葛エリアで不動産の買取と仲介をしています。この件については、片付ける前の状態で見せていただくのがいちばん早いです。荷物が残ったまま、庭木が伸びたままで構いません。
その状態で「片付けてから仲介で売った場合」「荷物を残したまま仲介で売った場合」「私たちが買い取った場合」の3つの手取りを、費用の内訳ごと並べてお出しします。そのうえで、片付けにお金をかける意味がある物件なのかどうかを正直にお伝えします。
片付けから登記、引渡しまでまとめてお任せになりたい方には実家まるごとパックがあります。遠方にお住まいで何度も来られない方も、立ち会いなしで進められます。
まとめ
- 判断は売値ではなく、費用を引いたあとの手取りでする
- 土地の値段で売れる築古の物件は、片付けても売値はほとんど上がらない
- 片付けの目安は4LDKで20万〜60万円程度。清掃・庭木・交通費も加わる
- 築20年前後までの戸建てとマンションは、片付けと清掃が効く
- 全部空にしなくていい。通路を作る・水回りを磨く・においを取るの3つ
- 処分の前に、名義を決める/権利証と売買契約書を探す/査定を取る
- 家財の処分費用は、原則として売却時の譲渡費用にはならない扱いが一般的
片付けるかどうかを決める前に、建物の値段を知ってしまうのが近道です。無料査定は最短30分で価格と査定書をメールでお送りします。「片付け前の状態です」とひと言お書き添えいただければ、片付けた場合とそのままの場合、両方の数字をお出しします。
リノーズ株式会社 代表取締役 美澤由佳子



