「十余二の実家は、いくらで売れますか」。柏市で不動産の買取・仲介をしているリノーズ株式会社 代表取締役の美澤由佳子です。国道16号と常磐自動車道・柏インターをはさんだ篠籠田・十余二・松ヶ崎は、工業団地と区画整理と昔からの集落が同じ町名の中に混ざっている地域です。
結論から書きます。この3町では、値段を分けるのが「そこに住宅を建てられるか」です。十余二には工業専用地域があり、住宅が建てられない区画があります。松ヶ崎・大山台側には地区計画がかかり、敷地面積の最低限度で土地を分けられない区画があります。駅からの距離より先に、ここを確かめてください。
3つの町はどこにあるか(売るときに効く範囲で)
| 町名 | 位置と足 | 土地の使われ方 |
|---|---|---|
| 篠籠田 | 柏駅の西側、国道16号の内側。駅徒歩圏からバス圏まで幅がある | 戸建て・農地・事業用が混在。「字(あざ)」の地番が残る |
| 十余二 | 柏インター・柏の葉寄り。柏駅からバス25分、柏の葉キャンパス駅からバス10分(市の工業団地案内) | 十余二工業団地が約65.4万㎡。住宅は団地の外側 |
| 松ヶ崎 | 北柏・松葉町寄り。区画整理を受けた区域は大山台一・二丁目に変わっている | 地区計画の区域。沿道型・都市型の複合地区と住宅地区に分かれる |
新十余二という別の町名もあります。市の公園案内では所在地が「新十余二4-1」、JR柏駅西口から市立柏高校行きバス「小青田」下車 徒歩約10分。十余二と新十余二は別の町名です。

十余二は工業専用地域が広い町です。同じ町名でも、住宅を建てられない区画があります。
十余二には、住宅を建てられない区画があります
柏市の工業団地の案内によると、十余二工業団地は十余二にあり、総面積653,792㎡(工場用地551,202㎡)、昭和46年に分譲が始まりました。そして用途地域は工業専用地域と記載されています。
工業専用地域では、住宅を建てることができません。つまりこの区域の土地は、戸建ての買い手がそもそも検討に入れません。売り先は事業者で、価格の決まり方も住宅地とはまったく別です。
十余二のご実家が工業専用地域の中なのか、その外の住宅地側なのかは、番地で分かれます。売りに出す前に、必ず柏市の窓口で番地を伝えて確認してください。
篠籠田は「字寺前」だけ区画整理が入っています
柏市が公開している土地区画整理事業の施行地区一覧には、「篠籠田寺前(篠籠田 字寺前)」という地区が載っています。柏市篠籠田寺前土地区画整理事業で、施行期間は平成13年から平成15年です。
つまり篠籠田は、字寺前だけが道と区画を引き直され、それ以外は昔のままの道ということになります。これは良し悪しではなく、売るときの論点の違いです。
- 区画整理済みの区域…道幅と区画がそろい、買い手が計算できる
- 区画整理を受けていない区域…1軒ごとに道幅と形が違う。幅4メートル未満ならセットバックが必要

敷地面積の最低限度がかかると、広い土地でも2区画に割れない。ここで坪単価が落ちるんだ。
松ヶ崎は、区画整理で町名が変わっています
同じ一覧には「松ヶ崎第一(大山台一丁目、同二丁目)」という地区があり、柏市松ヶ崎第一土地区画整理事業として平成6年から平成11年に行われています。区画整理が入った区域は、いま大山台という町名です。
古い権利証が従前の地番のままだと、現在の地番と一致しません。相続登記や売買の前に、登記事項証明書で今の表示を取り直してください。花野井・大室・正連寺でも同じことが起きています。
地区計画の「敷地面積の最低限度」で、土地が割れません
松ヶ崎第一地区には地区計画がかかっています。区域は松ヶ崎の南原・寺田谷・立山・大山・香取・西原の各字、十余二字庚塚・北庚塚・鴻ノ巣の各字、松葉町三丁目の各一部で、面積は約23.7ヘクタール。都市計画決定は平成9年1月17日、変更は平成29年3月28日です。
この地区計画には建築物の敷地面積の最低限度が定められています。公開資料には200㎡・300㎡・2,000㎡という数値が並んでいますが、どの地区にどれが適用されるかは原本で確認が必要です。
大事なのはここです。最低限度がかかる区域では、広い土地でも2区画に割れません。建売業者が2棟建てられないので、総額が上がるだけで坪単価は下がります。「広いから高いはず」が崩れるのはこの条件です。

地区計画の届出は工事着手の30日前まで。買い手の段取りに響くので先に調べておきましょう。
壁面の後退と、工事着手30日前の届出
同じ地区計画には壁面の位置の制限もあり、道路境界線から3メートル以上(1号壁面線)、1メートル以上(2号壁面線)、隣地境界線から7メートル・5メートル以上という後退距離が定められています。車庫や物置には例外があります。
地区計画の区域内で建築や造成を行うときは、工事着手の30日前までに市へ届出が必要です(都市計画法第58条の2第1項、届出書は2部)。買い手の工事の段取りに影響するので、売る側が先に把握しておくと交渉が早く進みます。
当社では査定は無料、最短30分で価格をご回答し、しつこい営業はいたしません。「この土地が2区画に割れるのかだけ知りたい」というご相談でも構いません。相続した家や空き家の出口は空き家の買取・相続のご相談をご覧ください。
宅地造成等規制法の区域かどうか
柏市は大字別の宅地造成等規制法の区域一覧を公開しており、篠籠田・十余二・松ヶ崎・大山台一〜二丁目はいずれも掲載されています。表示は「区域内」「区域外」「一部区域内」で、同じ大字の中で分かれます。
区域内で切土・盛土や擁壁の工事をするときは、別の手続きが必要です。高低差や古い擁壁のあるお宅では、買い手の見積りが変わります。該当するかは柏市役所都市部宅地課(04-7167-1146)で番地を伝えて確認してください。
農地が残っているとき
篠籠田・十余二には、地目が田・畑のまま残っている土地があります。宅地として売るには農地転用の手続きが必要で、市街化区域なら届出、市街化調整区域なら千葉県知事の許可です。許可には1〜2か月かかります。
手順は農地つきの実家を売るときにまとめました。相続した農地は、農地法第3条の3でおおむね10か月以内に農業委員会への届出も必要です。
価格が下がる4つの条件
- 用途地域が工業専用地域で、住宅が建てられない
- 地区計画の敷地面積の最低限度で、2区画に割れない
- 接する道が幅4メートル未満で、セットバックが必要
- 地目に田・畑が残っている、または宅地造成等規制法の区域か分からない
1番と2番は調べても変わりませんが、先に分かれば売り先を間違えません。3番と4番は調べれば解消できる「分からない」です。相場の調べ方でも書きましたが、調べていない状態がいちばん安い状態です。
仲介と買取、どちらが手取りで多いか
| お宅の条件 | 向いている売り方 |
|---|---|
| 住宅地側で幅4メートル以上の道に接し、最低限度にかからない | 仲介で買い手を待つ価値があります |
| 地区計画で割れない広い土地、道が狭い | 両方の金額を並べる。測量してから仲介に出す選択もあります |
| 工業専用地域、地目に田・畑が残る、残置物が多い | 買取のほうが手取りが多くなることがあります |
期限があるなら「○月までは仲介、決まらなければ買取」と先に期日を決めるのが安全です。売却には3〜7か月かかります。
リノーズにできること
私たちは柏市・松戸市・流山市・我孫子市・野田市で、相続した実家や空き家を扱っています。篠籠田・十余二・松ヶ崎のお宅では、ご相談のときに2つをお出しします。①そのお宅に住宅を建てられるのか、土地を分けられるのか。②仲介で売った場合の想定手取りと、当社の買取価格です。
柏の葉・柏たなか側のお宅については柏の葉キャンパス、柏たなか・小青田・大室にもまとめています。片付けや残置物の処分は実家まるごとパックでお引き受けできます。
まとめ
- 値段を分けるのは「そこに住宅を建てられるか」
- 十余二工業団地は約65.4万㎡で用途地域は工業専用地域。住宅は建てられない
- 篠籠田は字寺前だけが区画整理済み(平成13〜15年)
- 松ヶ崎第一の区画整理区域は、いま大山台一・二丁目
- 地区計画の敷地面積の最低限度がかかると、広い土地でも2区画に割れない
- 工事着手の30日前までに市へ届出が必要(都市計画法58条の2第1項)
- 宅地造成等規制法の区域は同じ大字の中で分かれる。宅地課で番地を確認
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