柏市の豊住・東中新宿・つくしが丘。この3つの町名は、不動産の相談のなかでいつも同じ組み合わせで出てきます。理由は単純で、どれも東武野田線(東武アーバンパークライン)新柏駅を中心に広がった住宅地だからです。「子どもが独立したので住み替えたい」「親が施設に入り、空き家になった」というご相談が、ここ数年続いています。
先に結論をお伝えします。この3町は柏市のなかでは売りやすい側のエリアです。駅が近く、戸建ての需要が切れません。ただし同じ「徒歩10分」でも、道路の幅・高低差・土地の形で価格に差が出ます。そして住み替えの場合は、売る順番を先に決めたかどうかで手取りが変わります。
新柏駅ができてからの街──3つの町名の共通点
新柏駅は1983年(昭和58年)に開業した駅で、所在地は柏市新柏一丁目です。1日平均の乗降人員は2万人前後(2023年度の目安)。柏駅までは1駅という位置で、駅の周囲に戸建ての分譲地が広がりました。
つまりこの3町は、昭和50年代後半から平成初めに家が建った住宅地が多いということです。いま売り手になっているのは、そのころ30代で家を買った世代とそのお子さんです。築35〜45年の木造戸建てが主役なので、建物の評価はほとんど残らず、価格は土地で決まると考えたほうが実態に近くなります。相場の見方そのものは柏市の売却相場の見方に整理しました。

新柏は駅が近いのが当たり前のエリアなので、同じ徒歩10分でも道幅と坂道で金額が変わってきます。
つくしが丘:駅徒歩3〜10分、売りやすい代わりに売り物が重なる
つくしが丘は新柏駅のすぐ周辺で、4丁目には駅徒歩3分という立地の物件もあります。買い手から見ると「新柏で駅近」の第一候補になるエリアです。
売る側の注意点は逆方向にあります。売りやすいエリアは、同じ時期に同じような物件が並びやすい。春や秋の売り出しが集まる時期に、近所で2件・3件が同時に出ると、価格の比較で下を見られます。売り出す時期を少しずらす、あるいは最初から買取で確定させる、という判断が効くのはこのタイプの町です。
東中新宿:戸建て中心、道路付けと間口で差が出る
東中新宿は新柏駅が最寄りの戸建て住宅地で、3丁目などで新築戸建ての供給も続いています。駅からの距離は町のなかでも幅があり、ここで価格差になりやすいのが道路付けです。
具体的には、前面道路の幅が4メートルに足りない場合、セットバック(道路後退)が必要になり、建てられる建物が小さくなります。旗竿地で間口が2メートルぎりぎりの土地も、買い手の住宅ローンや建て替えプランで不利になります。査定の前に、公図と測量図があるかを確認しておくと話が早く進みます。

住み替えは売りと買いのどっちを先にするかで、手取りが100万円単位で動きますよ。ここだけは先に決めてください。
豊住:新柏と南柏の二駅が使える位置は価格に効く
豊住は新柏駅の西側にあたり、1丁目では新柏駅へ徒歩7分前後、JR常磐線各駅停車(東京メトロ千代田線直通)の南柏駅へも徒歩17分前後という物件があります。東武線とJRの二駅を使えるという点は、買い手の職場が都内の場合に効きます。
一方で、南柏駅寄りの区域はバス便や坂道を挟む場所もあり、「二駅使える」が実際に歩ける距離かどうかで評価が変わります。査定のときは、駅までの経路を一度実際に歩いて、坂と踏切の有無を確認しています。
この3町で価格が下がりやすい5つの条件
| 条件 | なぜ下がるか | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 前面道路が4メートル未満 | セットバックで有効面積が減る | 後退後の面積で価格を組み直す |
| 間口が狭い・旗竿地 | 駐車2台が取れず買い手が減る | 価格より買い手の層を変える |
| 高低差・擁壁がある | 擁壁のやり直し費用を引かれる | 擁壁の状態を先に写真で示す |
| 土地が狭い(100平方メートル未満) | 建て替えプランが限られる | 買取や周辺の買い手に当てる |
| 残置物が多い・傷みが進む | 内見で印象が落ちる | 片付けごと買取も選べる |
隣の増尾・逆井エリアの傾向は増尾・逆井の実家の売却、新柏駅の反対側は新柏・光ヶ丘・酒井根の売却に書いています。あわせて読むと、同じ東武線沿線でも値段の付き方が違うことが見えてきます。

最初は机上査定で十分です。数字を見てから、売る順番と時期を決めていきましょう。
住み替えのために売るなら、売り先行か買い先行か
この3町でいちばん多いのが「家が広すぎるので、駅前のマンションや施設の近くに移りたい」という住み替えです。ここで先に決めるべきなのは、リフォームの内容ではなく順番です。
- 売り先行:先に売って金額を確定させ、それから買う。資金計画がぶれず、値下げ交渉にも応じやすい。引き渡しまでの仮住まいが必要になることがある。
- 買い先行:先に次の家を決めてから売る。引っ越しは1回で済むが、売れるまでの期間が読めず、期限が迫ると値下げせざるを得ない。
手取りで考えると、売り先行のほうが安全です。どうしても買い先行にしたい場合は、「この日までに売れなければ買取に切り替える」という下限価格を先に決めておくと、慌てた値下げを避けられます。
相続した実家の場合は、期限が3つある
親御さんから相続した家を売るときは、売り方の前に期限の確認です。(1)相続空き家の3,000万円特別控除は相続から3年目の年末まで、(2)取得費加算の特例は相続税の申告期限から3年以内、(3)相続登記は取得を知った日から3年以内で義務です。特に(1)は一度でも人に貸すと使えなくなるため、「とりあえず賃貸に」という判断が後で高くつくことがあります。
控除の要件は相続空き家の3,000万円特別控除に、登記の義務化は相続登記の義務化にまとめています。税額の判断は税理士や税務署で最終確認をしてください。
仲介と買取、どちらで出すか
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場価格を狙える | 仲介より抑えめ |
| 期間 | 3か月〜半年が目安 | 数日〜数週間 |
| 片付け | 原則必要 | 荷物ごとでも可 |
| 内見 | 何度も対応 | 原則なし |
| 向く人 | 時間がある・駅近で条件が良い | 期限がある・遠方・荷物が多い |
つくしが丘の駅近のように条件が整っている物件は、仲介で時間をかける価値があります。逆に、道路付けに弱点がある、遠方で何度も通えない、期限が決まっている——この場合は買取のほうが手取りが多くなることもあります。両方の金額を並べてから決めるのがいちばん確実です。
リノーズにできること
私たちは柏市・松戸市・流山市・我孫子市・野田市を対象に、不動産の買取と仲介をしています。この3町では、駅までの経路を歩いて確認し、道路付け・擁壁・隣地との境界まで見たうえで価格をお出しします。仲介で売る場合の想定価格と、当社が買い取る場合の価格を、両方お出しして比べていただく形が多いです。荷物の処分から売却までまとめてご希望の方には実家まるごとパックもあります。売却全体の流れは不動産売却のページをご覧ください。
まとめ
- 豊住・東中新宿・つくしが丘は新柏駅を中心に広がった住宅地で、築35〜45年の戸建てが主役
- 建物の評価はほぼ残らず、価格は土地で決まる。相場は成約価格で見る
- つくしが丘は売りやすいが売り物が重なる。時期をずらすか買取で確定させる
- 東中新宿は道路付けと間口、豊住は二駅の実際の歩きやすさが価格に効く
- 住み替えは「売り先行か買い先行か」を先に決める。相続なら期限が3つ
いくらで売れるのかを先に知っておくと、住み替えも相続も決めやすくなります。無料査定は最短30分で価格と査定書をメールでお届けします。荷物ごと手放したい方は実家まるごとパックをご覧ください。
(執筆:リノーズ株式会社 代表取締役 美澤由佳子)



