「相続した実家を売りたいのですが、何から用意すればいいですか」。柏市で不動産の買取・仲介をしているリノーズ株式会社 代表取締役の美澤由佳子です。相続のご相談で、いちばん最初にいただく質問です。
結論から書きます。相続した実家は、登記の名義が亡くなった親のままだと売り出せません。売れない理由は物件ではなく書類です。先に用意するものは5つで、全部そろうまでに1〜3か月かかります。
なぜ「書類がないと売れない」のか
買主は、売主が本当の所有者かを登記で確認します。名義が亡くなった親のままでは引渡しができず、買主の住宅ローンも通りません。
ですから相続した実家は、売りに出す前に相続登記(名義の変更)を終わらせておく必要があります。査定や相談は名義が親のままでも構いませんが、売り出しはそこからです。ここを後回しにすると、買い手が見つかってから1〜2か月待たせることになります。売り出しから入金までの期間は仲介と買取で期間がどう違うかにまとめました。

戸籍は窓口で取れる分が増えました。ただ、きょうだいの分と古い手書きの戸籍は別扱いです。先に本籍の履歴を確認してください。
先に集める書類5つ
| 書類 | どこで | 何のために | |
|---|---|---|---|
| ① | 親(被相続人)の戸籍一式・住民票の除票 | 最寄りの市区町村の窓口 | 相続登記 |
| ② | 相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書 | 各自の市区町村 | 相続登記 |
| ③ | 遺産分割協議書(または遺言書) | 相続人で作成 | 相続登記 |
| ④ | 登記事項証明書・権利証・固定資産評価証明書 | 法務局・市役所 | 相続登記 |
| ⑤ | 建築確認通知書・検査済証・測量図 | 自宅の中・市の窓口 | 売値 |
①〜④は相続登記のために必要なものです。⑤は登記には使いませんが、売値に直接効きます。順に見ます。
① 親の戸籍は2024年3月から「広域交付」でまとめて取れる
必要なのは、親の出生から死亡までが連続してつながる戸籍です(除籍謄本・改製原戸籍を含みます)。転籍を繰り返している方だと本籍地が3〜4か所に散っていて、以前は各市区町村へ郵送で1か所ずつ取り寄せ、2〜4週間かかっていました。
2024年3月1日から戸籍の広域交付が始まり、最寄りの市区町村の窓口で、全国の戸籍をまとめて請求できるようになりました。柏市にお住まいなら柏市の窓口で、親の本籍が別の県でも取れます。ただし条件があります。
- 請求できるのは本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫)だけ。きょうだいの戸籍は取れません
- 請求者の写真付きの身分証明書が必要です
- 郵送での請求と、代理人による請求はできません。本人が窓口へ行きます
- コンピュータ化されていない古い戸籍は対象外で、従来どおり本籍地へ請求します
相続人にきょうだいが含まれる場合は、その方に自分の分を取ってもらいます。「全部まとめて取れると聞いたのに」と二度手間になる方が多いところです。

「売るときに一緒にやればいい」で10年放っておいた家が、相続人が増えて9人になってたことがある。あれは本当に大変だった。
② 遺産分割協議書でつまずく3つのパターン
相続人が2人以上いて遺言がない場合は、誰が実家を相続するかを決めた遺産分割協議書に、相続人全員が実印で押印します。1人でも欠けると登記できません。止まるのはだいたいこの3つです。
- 相続人のひとりが遠方や海外にいて、押印が集まらない
- 相続人がまだ確定していない(前の世代の相続が終わっていない=数次相続)
- 売ったお金を分ける前提なのに、分け方が書かれていない
3つ目が見落とされがちです。売却代金を分けるなら、名義人(売主になる代表者)と分配の割合まで書いておくと入金後に揉めません。話のまとめ方は相続した実家で兄弟がもめないためににまとめています。
③④ 法務局は柏支局。相続登記の費用と期間
不動産の登記は、物件の所在地を管轄する法務局に申請します。千葉地方法務局では、柏市・我孫子市・野田市が柏支局、松戸市・流山市が松戸支局の管轄です。実家が柏市なら、ご自身がどこに住んでいても柏支局です。登記事項証明書は法務局、固定資産評価証明書は市役所の資産税の窓口で取れます。権利証(登記識別情報通知)は再発行されませんが、相続登記では必須ではありません。
- 登録免許税=固定資産税評価額×0.4%(評価額1,000万円なら4万円)
- 司法書士に依頼する場合の報酬は6万〜10万円が目安
- 申請から完了まで2週間〜1か月
2024年4月1日から相続登記は義務になりました。相続を知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。売る予定がなくても、これは先にやっておく手続きです(相続登記の義務化で何をすればいいか)。
もうひとつ、2017年5月29日に始まった法定相続情報証明制度が使えます。戸籍の束と相続関係を書いた一覧図を一度だけ提出すれば、登記官が認証した「法定相続情報一覧図の写し」を無料で交付してもらえ、以後は銀行でもこの写し1枚で足ります。親の口座が複数ある方は使う価値があります。

待ち時間が重なるのがいちばんの損です。戸籍を取りに行った日に、家の書類も探し始めてしまいましょう。
⑤ 売値に効くのは建築確認・検査済証と境界の資料
ここが登記の話と別枠です。④までそろえば売り出せますが、価格が決まるのは⑤です。
- 建築確認通知書・検査済証…その家が法律どおりに建てられたこと、つまり建て替えができることを示す資料です。ないと買主の銀行が慎重になります
- 測量図と境界の杭の位置…境界が不明だと、値引きか測量(1〜2か月)のどちらかになります
- 固定資産税の課税明細書…土地と建物の評価額、現況の地目が分かります
- 新築時のパンフレット、増築やリフォームの記録、擁壁の図面
これらは仏間の押入れや古い金庫に入っていることが多いです。片付けで書類の束を捨ててしまう前に、必ず中を見てください。検査済証が1枚見つかるだけで買主の見方が変わります。荷物が多くて探せないお宅は残置物ごとの買取という方法もあります。
当社では査定は無料、最短30分で価格をご回答し、しつこい営業はいたしません。書類がそろう前の段階で「いくらになりそうか」だけ知りたい、というご相談でも構いません。
期限は3つある
- 相続空き家の3,000万円特別控除…相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(かつ令和9年12月31日までの譲渡)
- 取得費加算の特例…相続税の申告期限の翌日から3年以内(相続開始からおおむね3年10か月)
- 相続登記…相続を知った日から3年以内
金額がいちばん大きいのは1つ目です(要件は相続空き家の3,000万円特別控除)。書類集めに1〜3か月、売り出しから入金まで3〜7か月。相続から2年たっているお宅は今日動き出す段階です。要件や期限は年度で変わるので、最終的な判断は税理士か税務署でご確認ください。
集める順番(5ステップ)
- 登記事項証明書と固定資産税の課税明細書で、物件と名義を確認する
- 親の戸籍を広域交付でまとめて取る(きょうだいの分は本人に頼む)
- 相続人を確定し、遺産分割協議書を作って実印と印鑑証明書を集める
- 法務局(柏市は柏支局)に相続登記を申請する。口座が多いなら法定相続情報一覧図も
- 並行して、建築確認通知書・検査済証・測量図を家の中から探す
順番を逆にすると待ち時間が重なります。2と5は同時に進められますので、戸籍を待っている間に家の中を探してください。空き家の出口は空き家の買取・相続のご相談をご覧ください。
リノーズにできること
私たちは柏市・松戸市・流山市・我孫子市・野田市で、相続した実家や空き家を扱っています。ご相談のときにお出しするのは2つです。①いまの名義のままでも出せる想定価格(仲介で売った場合の手取りと、当社の買取価格)。②そのお宅で足りていない書類と、取りに行く窓口の一覧です。
司法書士への依頼が必要なら地元の事務所をご紹介します。片付けや残置物の処分は実家まるごとパックでお引き受けできます。
まとめ
- 名義が親のままだと売り出せない。相続登記に1〜3か月
- 集めるのは5つ。①親の戸籍一式 ②相続人全員の戸籍と印鑑証明書 ③遺産分割協議書 ④登記事項証明書と評価証明書 ⑤建築確認・検査済証と測量図
- 親の戸籍は2024年3月から最寄りの窓口でまとめて取れる(きょうだいの分と非コンピュータ化の戸籍は対象外)
- 柏市・我孫子市・野田市の登記は柏支局、松戸市・流山市は松戸支局
- 期限は3つ。相続から2年たっていたら今日動く
ご自宅や実家が「いくらで売れて、何の書類が足りないか」は、無料査定でお出しできます。最短30分で価格をご回答し、書類の取り寄せ先まで一覧にしてお渡しします。



